中学受験と習い事■中学受験と習い事保護者の方から相談を受けるときに、多い話題の一つです。 「習い事・・・やめさせるべきですか?」というもの。 それも、「習い事をいつまでやらせてもいいですか?」とかはまだありますが、 「習い事、楽しくやってるんですけどこのままでもいいですよね?」とかはあまりなく、 保護者の方自身も「辞めさせる」方寄りの質問の仕方であることが多いです。 「中学受験生である」という視点で考えれば、 学習時間が多ければ多いほど伸びるチャンスは当然増えるわけですからね、 そりゃ塾講師にたずねれば「そうですね。早い目に辞めて学習に集中してください。」 との返答になるとは思います。 本人がイマイチやる気がない習い事なら、すっぱり辞めておきましょう。 合格して、本人に気持ちに余裕が出てきたらまた考えればいいと思います。 もし、親としては続けさせたいんだけど、 結果的に学習時間が減るいい口実になっているようなら、速攻で辞めるべきですね。 「昨日は習い事の日なので、宿題はできませんでしたー」とか言う生徒には、 「今月で辞めてきなさい。」と言うしかありません。 本当にその時間を大切に考えていれば、間に合うように計画的に課題をするはずです。 相談に来られるぐらいなので、「本人は辞めたくないと言っているケース」でお話しますね。 この場合、私は「辞めた方がいい」と答えたことはありません。 その習い事を生徒本人がどういう時間として位置づけているかによりますね。 習い事を続ける続けないという選択は、本当によくご家族で話し合うべきだと 考えています。 もしも、受験までの数年は、子どもの学習能力に的を絞り、 最大限引き出し、可能な限りは難関校に挑戦させたい! ということでしたら、習い事はしないか、したとしてもかなり負担の軽いもので なおかつその教室の移動時間なども計算した上でもプラスと思えるものであること。 本人がその習い事があることによって、精神的にプラスになることが条件になります。 習い事を全くしていなければ有利かというとそうでもないですよ。 時間の使い方というのが問題であって、習い事してなくても何時間もゲームしたり ぼんやりしてたらいっしょですから。 大人だって気分転換は大事です。 毎週取り組める趣味があれば、イヤな仕事だってがんばれます。 本人が好きでやっている時間なのであれば、その1つは残しておいてもかまわないと思います。 その時間を大切にするために、子ども本人が学習時間のやりくりの工夫なんかも できればさらにいいですよね。 『趣味』の時間の確保としての習い事なら意味があると思いますよ。 悩むのがスポーツ系の習い事ですよね。 いくつも例を見てきました。 中学受験という形で、学習というものに真剣に取り組み、考える力や根気や集中力を学ばせたい。 それには、小学生というタイミングがいいと思う。 ただ・・・基礎体力とか、身体機能という点でも小学高学年という時期に鍛えるというのはとても魅力的なことだと思います。 チームプレーなどの場合は、さらに人間関係という意味などでも。 「勉強ばっかりでも。」と子どもの健やかな成長を親の立場で考えたとき、 中学受験はゴールではありませんから、今、一生懸命やっているスポーツをどうするか・・・ 辞めて今は中学受験に絞るか。 それとも両立できるところまでやらせるか。 辞めるならどのタイミングなら間に合うのか。 本当に悩むと思います。 塾の授業を休まなければ・・・、という条件つきではありますが、 私はある程度はいいと考えています。 むしろスポーツ系の習い事をしていた子は、集中力のスイッチを入れるのが上手な子も多いですし、 試合など緊張感のある雰囲気に慣れているからでしょうか、テストなど本番に強い子も多かったです。 「根性あるなー」と思うことも多く、机の上だけでは学べないような、 根気強さとか、とっさの判断一つで明暗が分かれるのだとかそういうことを身をもって知っているというのは、受験にとってもプラスなことですよね。 スポーツ系の習い事は、受験では問われないけれど1教科余分に勉強していると考えていいと思います。 決してムダではない。 でも入試には直接結びつきにくい。 それに時間と体力をどのぐらい割り当てていけるか。 入試に出ないものを勉強する時間がもったいないと本人や親御さんが感じるのなら、 習い事はやめて、入試に必要な科目だけの学習に絞るべきですね。 「中学受験」というものをどう考えている家庭か、 それで答えは変わってくると思います。 スポーツ系習い事で一生懸命やっている子は、確かに 学習一本で塾漬けになっている子よりも偏差値の高い学校に入学するのは 現実として、やはり難しいと思います。 合格できても、後者の子よりも成績的には多少低い点という可能性の方が高いです。 やはり苦手単元の克服に費やす時間の差は、成績の差になりますから。 やっぱり努力に比例しやすいところです。 中学受験終了まではとにかく脳を鍛える期間として割り切り、 道を1本にすることでより目標や課題を明確にして、 本人の持っている可能性を最大限引き出す環境を整えて全力疾走させる。のか それとも、 もちろん学習を中心におきながらではあるが、 体力づくりやスポーツでしか学べないようなことも学んで欲しいから、 そこは多少志望校の選択肢を変更しても、「バランス」を重視する。 のか スポーツをやめずに志望校に合格することができれば、それはまた得るものが大きいと思います。 どちらでいくのかは、ご家族でしっかり意見を合わせておく方がいいですね。 私は、どちらも正解だと思うんです。 そして、子ども本人にもそれは伝えるべきです。 でないと、「どうして○○ちゃんは、スイミング続けているのにうちはダメなの?」とか、 「□□君とかみんなすごい学校の名前言ってるけど、うちはちがうの?」とか 子どもなりに友達同士のしがらみがありますからね。 強引に習い事を辞めさせられた子が、まだ続けている子にキツイ言葉を投げかけたりすることもあります。 次々に友達が辞めていくのに、自分は続けていることで不安になる子もいます。 しっかりと子どもさん本人に、家庭の考え方を伝えて、納得させてあげることは大事だと思います。 家族旅行なんかのとらえ方も、これと同じようなことだと思います。 家庭の価値観をまず見直してみると自ずと答えは出ると思います。 そして、そう考える理由をきちんと子どもにも伝えて納得させてあげることが 大事だと思います。 応援のクリック1票よろしければ、お願いいたします。↓ →TOP(FREE PAGE 記事一覧)にもどる。 →次の記事「塾の教室で一波乱」を読む。 |